
製造業で役立つ資格を業界ごとに徹底解説。資格取得するメリットや資格を選ぶポイントとは。
公開日:2025/03/03 23:18

本記事では、製造業従事者、工場勤務の方のスキルアップに役立つ資格や、昇給、転職に有利な資格についても詳しく解説します。
この記事では主な業界ごとに資格を解説しているので、現在勤めている業界や、将来転職したい業界で有利な資格を知ることができます。
資格を取ってスキルアップや昇給を考えている方や、製造業への転職を考えている方へ役立つ情報をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
製造業で資格取得する3つのメリット
製造業で働く際には、必ずしも資格は必要ありません。しかし、特定の資格を持っていれば、収入がアップしたり、昇進に有利になったり、就職・転職が有利になったりするなど、さまざまなメリットがあります。
まずは、製造業で資格を取得するメリットを3つご紹介します。
①スキルアップに繋がる
まず、資格を取り知識や技術を深めることで、実際に仕事に活かせるスキルを身につけることができます。有資格者でないと携われない業務に就くこともでき、任される仕事の幅が広がるでしょう。複数の資格があれば、マルチな業務に対応できる「多能工」として、企業で重宝される人材になることもできます。資格を取ることで、自分の人材としての価値を高めるための道が開けます。
②上司や管理者から評価され昇給に繋がる
資格取得は自分のスキルを証明できるだけでなく、企業から評価されやすくなるメリットがあります。人事評価によりボーナスが増えるなど、昇給に繋がるケースもあるでしょう。また、特定の資格を保有していると資格手当が支給され、年収が上がる企業も多いです。企業によって手当の対象となる資格は異なりますが、一般的に月5,000円~1万円ほどの手当がつくこともあります。
また、将来の昇進の要件として特定の資格取得が必要な場合もあります。資格を取得することで、将来的なキャリアアップによる待遇向上も期待できるでしょう。
③転職がしやすくなる
製造業では、資格を持っている人を即戦力として採用しやすい傾向があります。また、業務に関連する資格を保有していれば、製造業未経験でもチャンスが広がります。製造業でのニーズの高い資格を取得すれば、希望の企業への就職・転職活動を有利に進めることができるでしょう。
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【全般】製造業で役立つ資格
製造業での資格取得のメリットについて押さえたところで、ここからは製造業全般で役立つ資格をご紹介します。
製造業全般で役立つ9つの資格は以下の通りです。
- 危険物取扱者
- 衛生管理者
- 高圧ガス製造保安責任者
- 玉掛け免許
- 機械加工技能士
- 電気工事士
- エネルギー管理士
- フォークリフト運転技能者
- クレーン運転士
これらの資格は製造業でニーズが高く、どんな企業でも潰しが効くため、取得すると製造業の就職や転職に非常に有利になります。
危険物取扱者
「危険物取扱者」は、危険物を扱う業務に従事する場合に必要な国家資格です。一定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う化学工場やガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、必ず1人以上危険物取扱者を置く必要があります。
需要が高く比較的取得しやすいため、製造業でのスキルアップとして人気の資格と言えます。
衛生管理者
「衛生管理者」の資格は、労働者(従業員)の安全・衛生管理を行うための国家資格です。50人以上の従業員がいる企業では最低1人は衛生管理者の資格を持つ人材が必要です。そのため、製造業を含むどんな業界でも重宝される資格と言えます。
衛生管理者は、難易度が高い順に「第一種」「第二種」があります。第一種は全業種に対応できますが、第二種は製造業などの業種では、衛生管理者の業務に就くことが認められていません。
製造業で資格を活かしたい場合は、第一種衛生管理者を取得しましょう。
高圧ガス製造保安責任者
「高圧ガス製造保安責任者」は、高圧ガスを安全に正しく扱うために必要な国家資格です。高圧ガスを扱う工場や倉庫、病院などでは高圧ガス製造保安責任者の配置義務があるため、ニーズの高い資格の一つです。
ただし、資格は扱うガスや施設によって9つの分野に分かれているため、勤務先や転職希望先によって必要な資格を見極める必要があります。
玉掛け免許
玉掛け免許は、クレーンなどを使用して荷物を運搬する際、ワイヤーロープなどの吊具に荷かけ・荷はずし作業を行うために必要となる国家資格です。玉掛け免許の取得には、厚生労働省指定の機関で技能講習を受講する必要があり、荷量によって「玉掛け特別教育」(1トン未満)玉掛け技能講習(1トン以上)の2種類の講習があります。
国家資格でありながら、18歳以上であれば誰でも受講するだけで資格が取得できるため、取っておいて損はないと言えるでしょう。
機械加工技能士
「機械加工技能士」とは、金属などを切削・研磨して整形する機械加工の技術を証明する国家資格です。難易度が高い順に「特級」「1級」「2級」「3級」に分かれており、2級以上は2年~7年の実務経験が必要です。
技能士試験では、学科試験に加えて実技試験があるため、試験のために練習を重ねることで、技術自体に磨きをかけることもできるでしょう。
電気工事士
「電気工事士」は建物の電気設備の工事を行うための国家資格です。製造業では、生産機械や設備の不良にいち早く気付き、適切なメンテナンスを行うことができる電気工事士は非常にニーズがある資格です。
電気工事士は、難易度が高い順に「第一種」「第二種」の2種類に分かれています。
第一種では一般用電気工作物と自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満の需要設備に限る)を扱えるため、工場などの大規模施設では「第一種電気工事士」のニーズが高いとされています。
エネルギー管理士
「エネルギー管理士」は、工場・事業所でエネルギーを使用する設備の維持管理や、エネルギー使用量の監視・効率化・現場指揮などを行うための国家資格です。「第一種エネルギー管理指定工場」などに指定された施設では、エネルギーの使用量に応じてエネルギー管理者を1~4名選任することが義務付けられています。そのため、自動車工場や電子機器工場、食品工場など、エネルギー使用量の多い工場などで需要がある資格です。
フォークリフト運転技能者
「フォークリフト運転技能者」は工場や倉庫での運搬作業などに使われるフォークリフトの運転に必要な国家資格です。基本的には講習を受講すれば誰でも取得でき、製造業では運搬・積み込みの即戦力として評価されるため、取っておいて損はない資格の一つです。
講習は、最大積載荷重量によって、重いものから「フォークリフト運転技能講習」「フォークリフトの運転の業務に関わる特別教育」の2種類に分かれています。
「フォークリフト運転技能講習」は学科試験と実技試験に合格する必要がありますが、より汎用性が高いため、製造業の転職には有利と言えます。
クレーン運転士
「クレーン運転士」はクレーン車を用いた荷積み・荷下ろしをするために必要な国家資格です。クレーン運転士の免許は、基本的に以下の5種に分けられます。
- クレーン・デリック運転士免許:限定なし
- クレーン・デリック運転士免許:クレーン限定
- クレーン・デリック運転士免許:床上運転式クレーン限定
- 移動式クレーン運転士免許
- 揚貨装置運転士免許
これらの資格を取得するには、学科試験と実技試験に合格することが必要です。ただし、各都道府県労働局長が指定する教習機関で教習を修了すれば、実技試験が免除になります。
【機械系】製造業で役立つ資格
続いては、機械系の製造業企業で特に役立つ8つの資格をご紹介します。
- 自動車整備士
- 有機溶剤作業主任者
- 溶接技能者
- 完成検査員
- プレス金型取替作業者
- 半導体製品製造技能士
- 半導体技術者検定
- 機械保全技能士
自動車整備士
「自動車整備士」は、自動車の整備技術を証明する国家資格です。自動車整備士の資格が活かせるのは、自動車整備工場やディーラーです。車全般の知識を持っていると評価されるため、自動車工場への転職でも有利な資格と言えます。
有機溶剤作業主任者
「有機溶剤作業主任者」は、有機溶剤を使う現場で配置が必須となっている国家資格です。有機溶剤は車などの塗装に使用されるため、自動車工場や機械工場でニーズのある資格と言えます。他にも、化学・薬品系の現場で活躍できる資格です。
溶接技能者
「溶接技能者」は、日本溶接協会が認定する溶接技術を証明するための民間資格です。規模の大きい工場では溶接が自動化されている場合もありますが、自動車工場や鉄工所などでは今後も一定の需要がある資格と言えます。
自動車検査員
「自動車検査員」とは、自動車が国の定めた安全基準をクリアしているか検査(完成検査)を行うための国家資格です。車検を行う自動車整備工場では、自動車検査員を最低1名配置することが義務付けられています。そのため、自動車工場や民間の車検場でのニーズが高い資格と言えます。
プレス金型取替作業者
「プレス金型取替作業者」は、動力プレスの金型の交換や刃物の取り付け・取り外し、調整業務などをおこなうために必要な国家資格資格です。動力プレスとは、金属板などに型を押し付け、金属板を加工する機械です。この資格は、自動車製造業や機械部品加工工場など、製造業で幅広く活躍できる資格と言えます。国家資格でありながら、取得が容易であることも魅力です。
半導体製品製造技能士
「半導体製品製造技能士」は、半導体製造に関する技能を証明するための国家資格です。半導体製造工場で経験を積んでいれば、技能士資格を取得して自分の技術を証明することができます。資格手当が付く場合もあり、他の半導体メーカーへの転職にも役立つでしょう。
半導体技術者検定
「半導体技術者検定」は、一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会が認定する半導体の専門知識や技術を証明するための民間資格です。資格は「エレクトロニクス3級」「エレクトロニクス2級」「エレクトロニクス1級」の3種があり、2級の3科目の検定すべてに合格した者を「1級」として認定しています。
前項の「半導体製品製造技能士」とは異なり、実務経験が不要です。そのため、半導体業界を志望する未経験者の方にもおすすめの資格です。
機械保全技能士
「機械保全技能士」は、工場設備のメンテナンス業務を行うための国家資格です。機械保全技能検定は、設備機械の故障予防や保全作業を行うための唯一の国家検定です。製造業で機械化が進むほどニーズが高まる資格であり、将来性が高いと言えます。
【食料品系】製造業で役立つ資格
続いては、食品製造業で役立つ5つの資格をご紹介します。
- 食品衛生責任者
- 食品衛生管理者
- ボイラー技士
- QC検定
- 管理栄養士
食品衛生責任者
「食品衛生管理者」は、施設の食品衛生の管理運営及び法令遵守の責任者となるための公的資格です。食品製造工場や飲食店では、食品衛生責任者を必ず一人選出することが定められています。取得も簡単なため、食品系製造業への転職を検討している場合、取っておいて損はない資格と言えます。
食品衛生管理者
食品衛生管理者は、特定の食品を取り扱う工場で必要とされる国家資格です。食肉製品や食品油脂など、厚生労働省に指定された食品を扱う工場では、事業所ごとに食品衛生管理者を設置する義務があります。
食品衛生管理者は、前項の食品衛生責任者の上位資格であり、食品衛生責任者の役割もカバーできます。食品系の製造業企業で活躍したい場合は、食品衛生管理者を取得することをおすすめします。
ボイラー技士
「ボイラー技士」は、伝熱面積が3平方メートル以上のボイラーの保守業務や検査業務を行うための国家資格です。製造業だけでなく、宿泊施設や病院などのボイラーを扱う施設で需要が高い資格です。資格には2級、1級、特級があり、それぞれ扱えるボイラーの規模が異なります。
QC検定
「QC検定(品質管理検定)」は品質管理に関する専門知識を証明できる民間資格です。品質管理とは製品の品質を保証するプロセスのことで、特に食品や自動車、医薬品などを扱う製造業企業では特に重要な工程です。
実務経験は不要で、品質管理全体の知識があることを証明できるため、未経験・経験者ともに製造業への就職・転職に有利になります。
管理栄養士
「管理栄養士」は、さまざまな健康状態にある方の栄養指導・栄養管理を行うための国家資格です。管理栄養士は、管理栄養士養成課程のある施設を卒業し、国家試験に合格する必要がある難関資格ですが、製造業では食品メーカーなどで非常に重宝される資格と言えます。
【医薬品系】製造業で役立つ資格
製造業のうち医薬品の研究開発・製造・販売を担う製薬会社では、以下の3種類の資格に需要があります。
- 薬剤師
- MR認定資格
- 危険物取扱者
薬剤師
「薬剤師」は、薬剤の調剤や管理、服薬指導を行う国家資格です。調剤薬局や病院だけでなく、製薬会社や食品・化粧品メーカーなどの製造業企業で非常に需要が高い資格です。特に医薬品の製造過程では、薬剤師資格が製造管理責任者や品質管理責任者の資格要件となっています。
ただし、薬剤師の国家試験の受験資格は、6年制の薬学部の卒業見込みがある者もしくは卒業した者だけです。その点で、非常に難易度が高い資格の一つとなっています。
MR認定資格
「MR認定資格」は、医療機関に対して医薬品の情報提供・収集を行う医療情報担当者(Medical Representative)の資質向上を目的とした民間資格です。製薬企業で営業職として働きたい場合、MR認定資格を所持していることで、志望度の高さをアピールできます。
危険物取扱者
危険物に指定されている薬品を扱う企業には、危険物取扱者を配置することが定められています。製造業の中でも、特に製薬会社では危険物取扱者の資格が必要な場面が多いため、製薬会社への就職・転職活動でもプラスに働くでしょう。
【管理職】製造業で役立つ資格
製造業のキャリアアップの選択肢のひとつとして、管理職を目指す方も少なくないでしょう。ここからは、製造業の管理職に役立つ資格をご紹介します。
- 中小企業診断士
- MBA
- 簿記検定
中小企業診断士
「中小企業診断士」は企業の経営課題に対する診断・助言を行うための国家資格です。経営戦略や財務、マーケティング全般の知識を身に着けることができるため、中小企業の経営改善や事業拡大に役立ちます。
難易度は高めですが、この資格を取得すれば、製造業の管理職として経営視点を持って業務改善に取り組むことができるようになるでしょう。
MBA
MBAは経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位であり、資格とは異なります。製造業の管理職の場合は、工場運営や事業戦略の改善に活かせるほか、海外展開を視野に入れた経営判断にも役立ちます。
取得には時間・費用がかかりますが、経営層へのステップアップを目指す場合の大きな武器となるものです。
簿記検定
簿記検定、企業の経営成績と財政状態を明らかにする技能を証明する民間資格です。製造業では「日商簿記2級」以上で求められる工業簿記の知識が重要です。経理には必須の知識ですが、管理職が簿記の知識があれば、コスト管理や利益改善の視点を持てるため、より効率的な経営判断ができるようになるでしょう。
比較的取り組みやすい資格なので、まずは簿記を経営の基礎として身に着けることをおすすめします。
製造業で取得する資格を選ぶ3つのポイント
ここまで製造業で役立つ資格を業種別に紹介してきましたが、たくさんの選択肢の中からどの資格を目指すべきか分からない場合もあるかもしれません。
特に、仕事を続けながら、または就職・転職活動をしながら資格取得を目指す場合、時間に限りがあり、できるだけ早く勉強を始めたいと考える方も多いはずです。
そこで次に、どの資格を優先すべきか、製造業で資格を選ぶ際のポイントをご紹介します。
①将来のキャリアアップにつながる資格にする
まずは自分が5年後、10年後どうなっていたいかを想像して、将来のキャリアアップに繋がる資格を取得しましょう。資格が増えれば、それだけ昇給や昇進のチャンスも広がります。今はまだ必要なくても、将来「取っておいてよかった」と思える資格を選ぶことが大切です。
②仕事の幅が広がる資格にする
自分の仕事の幅が広がる資格を選ぶことで、収入アップや雇用の安定に繋がるだけでなく、就職・転職も有利に進めることができます。たとえば、本記事で紹介した「製造業全般で役立つ資格」から取得するのは非常におすすめです。こうした資格は業界を問わずニーズが高いため、転職の際にもプラスにはたらくでしょう。
③社会的信用度が高い国家資格の方を優先する
資格は認定する機関によって、「国家資格」「公的資格」「民間資格」などいくつか種類があります。中でも、国家資格は「国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格」(文部科学省:国家資格の概要について)であり、社会的な信用度が高いのが特徴です。そのため、複数の資格の中から選ぶ際には、まず国家資格を優先するとよいでしょう。
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